BEATECH ORIGINAL 8thでやったことと、考えたこと【K-Shoot MANIA】

BEATECH ORIGINAL 8thお疲れ様でした!!(公開後1ヶ月経過)

パッケージ部分の主導を行ったLuineです。

この記事ではK-Shoot MANIA非公式パッケージBEATECH ORIGINAL 8th制作主導にあたってやったことと考えたこと(意識したこと)を雑に書いていこうと思います。学祭企画等、ケーシューパケの主催者の助けになれれば幸いです。


パッケージは次のリンクからDLすることが出来ます↓

beatechweb.wixsite.com



目次



0. 企画する時の心持ち

自分はケーシュー企画をやるにあたって、「良いものを作ろう」とか「コンセプトを練ろう」とかはあまり第一に考えていません。「とりあえず完成させるぞ」を第一に考えています。

クオリティは制作に余裕が出来た時に、初めて付随するものだと捉えています。

正直な話、他人を楽しませるためというより、自己満足のためにパッケージを制作しています。結果的に、低難易度譜面を充実させたり等多くの人がパッケージを楽しむための策を取り入れたりましていますが、それはあくまで制作に余裕があったから出来た副次的なもので、最終的には自己満足のためです。


BEATECH ORIGINAL 8thもそんな気持ちで制作したので、個人的にはケーシュー企画をするにあたっての心持ちは、クオリティは気にしすぎずとりあえず作るで良いと思います。商売してる訳でもないし。

そりゃクオリティが高いに越したことはありませんが、クオリティを気にしすぎてパッケージ制作の敷居が高くなってしまうのは本末転倒です。えい!やー!とう!でパッケージを作るくらいの気持ちで良いと思っています。

最初からクオリティを気にしだすとめちゃくちゃ不安になるし、時間もかかるし、企画が挫折しやすくなってしまいます。この状態に陥って何らかの活動を挫折したこと、ありませんか?私は沢山あります。

始めたばかりの時は時間をめちゃくちゃかけてもクオリティに反映されないことも多いですしね……。最初は自己満足を第一に企画を進めちゃいましょう。

そもそも、クオリティがめちゃくちゃ低くてもそれはそれで将来的に笑い話になります。



企画譜面作成楽曲作成ジャケット作成…どれにも言えるのは、形にすることは無条件にえらいということです。何かを形にした、ということは、それだけで自信を持って良いと思います。



1. タイムスケジュール

去年の反省を活かし、早い時期から企画を動かしました。

  • 企画始動: 3月上旬

  • 楽曲公募: 4月上旬〜6月下旬

  • ジャケット・ロゴ制作: 9月上旬〜11月下旬

  • 譜面第1稿締切(BEATECH内部): 7月上旬〜9月上旬

  • 譜面第1稿締切(BEATECH外部): 7月下旬〜10月上旬

  • 譜面調整: 第1稿締切後〜11月下旬


譜面

譜面について、譜面調整に時間がかかることや、どうせ第1稿締切までに譜面が来ないことを見越して、譜面調整期間は長めに取りました。譜面制作が終わって暇だったら追加譜面書けば良いし。

このタイムスケジュール設定の甲斐あって、学祭(10月末)の時点で通常譜面は全て揃った状態で提供出来た上に、学祭から約1ヵ月という期間でパッケージ公開まで辿り着けました。


ジャケット・ロゴ

楽曲が決まってから動き出しが遅かったことが反省点です。ですが、無事ジャケットやロゴを完成させることが出来たので、ジャケット・ロゴ担当の方には本当に感謝しています。

7thの時は埋まらなかったから仕方なく自前でジャケットを一部揃えていましたが、本当にしんどかったので……。



2. 楽曲募集

BEATECH ORIGINAL 8thでは、楽曲の公募を行いました。テーマを決めて、それに準ずる楽曲を募集するという形式です。


テーマ決め

パッケージ企画にあたって、楽曲のテーマを決めるということはよくあることです。特にBEATECH ORIGINALシリーズでは、3rdの頃から楽曲のコンセプトを決めるという伝統が続いています。

楽曲のテーマ決めについて、テーマは気分で自由に決めてよいと思います。自分はテーマ決めの際、作曲経験が浅い人でも積極的に曲が投稿出来るよう、ある程度幅の広いものかつどんな楽曲でもテーマに則していると言い張りやすいものという性質を満たしているテーマとなるようにしていました。


BEATECH ORIGINAL 8thでは「花」というテーマになりました。良いテーマが設定出来たと思います。


募集フォーム

公募をするにあたって、公募の募集フォームを書く必要が出てきます。BEATECH ORIGINAL 8thでは、次の項目をフォームの回答項目としました(公募フォームの文面は後輩が書いてくれました、感謝!)。

  • 作曲者の名前
  • 楽曲の名前
  • 楽曲のBPM(変化する場合変化部分も書いてもらう)
  • 楽曲ファイルのDLリンク
  • 連絡可能なメールアドレス(サークルとして公募採用連絡のため、個人主催ならTwitterアカウントとかでも良さそう)
  • 楽曲の細かいテーマ、設定(ジャケット製作者に伝える)
  • その他、質問やコメント


募集フォームでは、回答項目の他に募集要項を書く必要が出てきます。募集要項では、音源の44.1kHz、24bit指定を必ず設けた方が良いです。ここが違ってくると、RetriggerやGateエフェクトがズレてかかってしまう可能性があります。

また、音源の開幕に空白を1小節設けてもらうと良いです。これを行わないと、譜面において楽曲の開幕で一瞬処理落ちしてしまうことがあります。



3. 譜面製作者募集

パッケージを制作するためには、譜面制作者を集める必要が出てきます。BEATECH ORIGINAL 7thを踏まえてBEATECH ORIGINAL 8thを制作しよう、となったとき、譜面制作者を揃えることが1番の課題点でした。

というのも、BEATECHは重度な譜面制作者不足が起こっており、去年自分は(合作を含めるとはいえ)56譜面のうち41譜面を制作する羽目になりました。こんな状態が続いてしまっては、パッケージが完成するのが先か、自分が病んで蒸発するのが先かのレースが始まってしまいます。


まず、後続育成のため、企画を開始する前からBEATECH内部で譜面制作講習会を行っていました。

現在公開されているK-Shoot MANIA 譜面作成の教科書はその副産物の1つです。そもそもBEATECHでは後輩でケーシュー譜面制作に興味を持った方がそもそも少なく、自分が安心出来る人数の後続育成は不可能でしたが……

luine-diary.hatenablog.com


BEATECH内部だけでは譜面制作をカバーしきることは不可能であると考え、譜面制作に関しても外部の譜面制作経験が豊富な方にご協力頂きました(主にLT・CH帯とFull-Bloom)。この決断は正解だったと自信を持って言うことが出来ます。


まず、外部の方々を呼んだおかげで、今年は自分の制作した譜面を9譜面(Full-Bloom除くと4譜面)に抑えることが出来ました。9譜面くらいなら、1パッケージで制作する譜面数として十分現実的な量です。

単純計算すると譜面制作量は去年の4分の1未満です。これなら蒸発せずに譜面を完成させることが出来ますね。


また、クオリティの高い低難易度譜面や、超高難易度譜面を数多く揃えることが出来ました。

特に低難易度譜面に関して、ノウハウを知らない方が作った低難易度譜面を監修すると本当に1から作り直しレベルで修正を飛ばさなくてはいけないことが多いです。

ですが、今回は低難易度譜面の作り方を知っている方々に譜面制作を依頼したため、監修として神経をすり減らすことなく数多くの低難易度譜面を揃えることが出来ました。

というか自分より低難易度譜面の作り方が上手い人をたくさん呼んだので、単純に見ていて低難易度譜面制作の勉強になりました。



4. 学祭に向けたパッケージの準備

今まで他大学の学祭を見てきた経験だと、学祭でプレイする人は大多数が音ゲー初心者・ケーシュー未経験者です。

そのため、初心者でも遊びやすいLv15以下の難易度の譜面をしっかり作る必要があります。

クオリティの高い低難易度譜面を提供するため、積極的に外部の方々を譜面制作に呼びましたが、それ以外にもやったこと・意識したことが存在します。


まず、Full-Bloomではない各譜面にはレベル指定を設けました。特に、15以下に関しては全てのレベルに最低1譜面は存在するようにレベルを調整しました。

その甲斐あって、初心者であっても「少しだけ上のレベルにも挑戦してみよう」ということを行いやすいパッケージを提供できたと思います。


低難易度譜面も揃えています


学祭内では、BEATECH ORIGINAL 8th以外にも、過去のBEATECH ORIGINALパッケージ、B4UTのパッケージ、京音のパッケージ、SLOWパッケージを展示しました。特に、京音の2017年のパッケージに収録されている「ハジメノステップ!」は学祭におけるケーシューのチュートリアルとして非常に役に立ってくれました。

B4UT、京音、そしてSLOWパケの主催である紫餅さん、学祭におけるパッケージの使用許可を下さりありがとうございました!


また、過去のBEATECH, B4UT, 京音の2020年以降のパッケージ及びSLOWパケを対象に、Lv15以下の譜面で遊びやすいものをピックアップしてカスタムフォルダにまとめました。

このカスタムフォルダは実際に何度か選曲されており、初心者の方にたくさんの遊びやすい譜面を提供する、という目的が果たされていることを感じることが出来ました。京音パケ2021のc.s.q.n.(CH)とか結構人気でしたね。


高難易度譜面に関して、学祭ではスコアアタックを開催してからスコアアタック上位者にボス譜面をプレイさせる、という流れがよくありますが、今回はこれを採用しませんでした。その理由としては、次の4つが挙げられます。

  • 譜面が存在するのにその譜面を遊べる人を限定したくない
  • 最高難易度はos13かつケーシューながらの移行ゲーであるため、学祭環境で太刀打ち出来そうな人がいない(ケーシューやってないとVF22でもクリアが付かないレベル)
  • そもそもパッケージ内に20が無限にある
  • 面倒


パッケージ内最高難易度の譜面


実際、このパッケージのボス曲を含めた高難易度コースモードの攻略者は表れなかったので、この方針で正解だったのかなと考えています。

ちなみに、配布しているパッケージにもこの高難易度コースモードが存在するので、実力に自信のある方は是非挑戦してみてください!


学祭実施のためには、パッケージ制作以外にも、会場の設営が必要です。

会場の設営においては、他の方にたくさん協力して頂きました。


学祭実施において、諸々の手続きや会場スタッフとして協力して頂いた方々には本当に感謝しています。 自分は学祭関連の手続きや準備に関してはかなり他の方に任せたので、学祭企画として成立したのは間違いなく協力して頂いた方々によるものだと思っています。

人手はウルトラ足りなかったから来てくれたケーシュー勢に接客を手伝ってもらったり1人で2台接客してたりもしてたけど



5. 監修のおしごと

昨年に引き続き、今年もパッケージ全譜面の譜面監修を行いました。譜面監修にあたって、色々なことを意識しました。ただ、監修に関しては単独で1記事出来るくらい書くことがあるので、意識したことに関しては別記事に書くとします。



6. 感想

去年の反省点を活かし、外部の人も可能な限り頼ることで、自分が作れる限りの高クオリティなパッケージを作ることが出来たと思います。

Full-Bloom難易度の追加や、低難易度カスタムフォルダの作成等、自分なりに工夫した上でその効果の実感も出来たので、パッケージ制作主催として個人的にはかなり満足しています。


企画や監修に関しては、tenkoさんをお呼びして、様々な助言を頂きました。助言の影響でより良い状態に変えられたこともたくさんありました。とても感謝しています。

譜面に関しては、下位譜面や高難易度追加譜面において、経験豊富な外部の譜面製作者をお呼びし、高クオリティな譜面を提供して頂きました。そのおかげで、初心者の方から上級者の方まで楽しめるパッケージになったと思います。

楽曲やジャケットに関しても、BEATECH外部の方々に多数提供を頂きました。パッケージが企画として成立したのは楽曲やジャケットを提供していただいた皆様のおかげです。本当にありがとうございます。


BEATECH ORIGINAL 8thの現状を踏まえると、来年開催は正直無理ですね……BEATECH内部でケーシュー企画のパッケージ部分に携わっている人が本当に少なかった上、層の高齢化も深刻です。いつか後輩がケーシューにハマって自分のようにBEATECH企画を動かしてくれることを待ちましょう。その時はめちゃくちゃ歓迎しますし、全力で協力します。あとパッケージ企画とかじゃなくても後輩でケーシュー譜面興味あるよって人は教えるのでいつでも連絡してください。教えます。